exhibition

アキバタマビ21特別展「BIOART.JP ー バイオメディア・アート展」

2013年2月23日(土)~3月24日(日)
12:00~19:00(金・土は20:00まで)火曜休

[出品作家]
秋山慶太、アリ・アルムタワ、石橋友也、伊藤達哉、岩崎秀雄+オロン・カッツ、齋藤帆奈、多摩美畑部、ホアン・カストロ、三原聡一郎、山本渉、高橋士郎(特別参加)

BioMediaArt.jpg
20世紀終盤からの遺伝子工学や分子生物学の進歩と普及によって、生命に関する今日的なテクノロジを援用した芸術表現が盛んになりました。それらは一般にバイオ(ロジカル/テクノロジ)・アートと呼ばれ、前衛的なファイン・アートや現代美術のある種の延長として、あるいはアート&サイエンス、アート&テクノロジーの一形態として、メディア・アートとも密接な関係を持ちながら発展してきました。
生命を構成する細胞は、タンパク質を始めとする物質(アトム)でできているにもかかわらず、そこには遺伝子(DNA)というデジタル情報が含まれ、それが分裂、複製、交換することでリミックス、ミューテーションしていきます。物質としてのハードウェアや情報というソフトウェアから、細胞や生物というウェットウェアへ、という大きなメディアの流れの中で、バイオメディアにも近年キッチン・ バイオと呼ばれるDIY化の波も訪れ始めました。
その状況は、急速にパーソナル化が進むことで技術と芸術が交錯したリベラルな文化を生み出した、1970~80年代のマイクロ・コンピュータやコンピュータアートの誕生時に、自然と重なり合ってきます。
こうした時代を背景に2010年、多摩美術大学の久保田晃弘と、早稲田大学の岩崎秀雄、高橋透らが提案する科研費基盤研究(C)『ポストゲノム時代のバイオメディア・アートの調査研究』が採択されました。ヒトのゲノム情報が解読されたポストゲノム時代に、遺伝子組み換えや組織培養などに代表されるサイエンスやテクノロジーとしてのバイオのみならず、食や医療、社会や生活やの中に浸透し始めたメディアとしての生物や生命も広く取り上げるために、研究テーマを「バイオメディア」アートと命名しました。そして2010年度には、バイオアートのポータルサイトであるBIOART.JP を立ち上げ、オーストラリアのパースにあるバイオアートのCOEである SymbioticA の見学や共同研究を行い、続く2011年度には、バイオアートの父、ジョー・デイヴィス氏の日本招聘とワークショップやレクチャーの開催などを行い、バイオメディア・アートが持つ可能性を探求してきました。
本展覧会は、3年間の期限の科研費研究の締め括りとして開催されるものです。多摩美術大学および早稲田大学と関連する若い作家を招き、身近な素材を出発点にしながら、今日のポスト・ゲノム時代における身体観や人間観の変容、生命とその時間に対する認識の変革、さらにはバイオメディアの活用と、その社会・生活への浸透に対する芸術の役割や可能性を提示することを目的としています。ぜひ多くの方々にご高覧頂ければ幸いです。

科研費基盤研究(C)『ポストゲノム時代のバイオメディア・アートの調査研究』研究代表者
多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授
久保田晃弘


【イベント】
●オープニング・シンポジウム&レセプション「バイオメディアと芸術」
2月23日(土) 17:00~19:00
岩崎秀雄(早稲田大学)、高橋透(早稲田大学)、久保田晃弘(多摩美術大学)

●バイオアート・ワークショップ
3月2日(土)14:00~17:00
講師:BCL(Georg Tremmel+福原志保) http://bcl.biopresence.com

【出品作家】
●秋山慶太 Keita Akiyama
工業デザイナー
2011年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業

●アリ・アルムタワ Ali AlMutawa
CG作家
多摩美術大学大学院2年

●石橋友也 Tomoya Ishibashi
早稲田大学理工学術院電気・情報生命専攻/metaPhorest(*1)メンバー

●伊藤達哉 Tatsuya Ito
多摩美術大学メディア芸術コース4年

●岩崎秀雄 Hideo Iwasaki
早稲田大学先進理工学部教授/metaPhorest主宰/Synthetic Aesthetics(*2)メンバー

●オロン・カッツ Oron Catts
アーティスト/オーストラリアのSymbioticA(*3)を運営/Synthetic Aestheticsメンバー

●齋藤帆奈 Hanna Saito
多摩美術大学工芸学科ガラスプログラム卒業/metaPhorestメンバー

●多摩美畑部(*4) Hatake-bu@tamabi(代表:片田美晴)

●ホアン・カストロ Juan Manuel Castro
多摩美術大学大学院博士課程修了/早稲田大学博士研究員(日本学術振興会)/metaPhorestメンバー

●三原聡一郎 Soichiro Mihara
アーティスト/多摩美術大学情報デザイン学科卒業

●山本渉 Wataru Yamamoto
写真家/多摩美術大学大学院2年

●高橋士郎 Shiro Takahashi
造形作家/多摩美術大学メディア芸術コース教授

*1:metaPhorestは生命科学や生命論の展開を参照しつつ、「生命」を巡る美学・芸術(バイオアート、バイオメディア・アート、バイオロジカルアート、生命美学)の実験・研究・制作を行うためのプラットフォーム。2007年から、早稲田大学先端生命医科学研究施設の基礎生命科学の研究室内に設置されている。
http://metaphorest.net

*2:Synthetic Aestheticsは、米国NSFと英国ESPRCの助成により、合成生物学に関する科学者とアーティスト/デザイナーの共同研究・制作を支援する。約400名の応募から、オーストラリアを基盤にバイオロジカルアートを展開してきたアーティスト、オロン・カッツと岩崎秀雄の組を含む6組が選ばれた。
http://www.syntheticaesthetics.org

*3:SymbioticAは、西オーストラリア大学解剖学・人類学部内にバイオロジカル・アートのためのプラットフォームとして2000年に設立された。
http://www.symbiotica.uwa.edu.au

*4:多摩美畑部は2011年3月に結成。校舎裏を開墾し、栽培環境や農作物を美大の視点から一つのメディアとして捉え、バイオアート研究や産学共同プロジェクトを行いながら、作品への応用を目的として活動中。